ことしもまた梅雨や台風の季節が近づいてきました。
以前、「ハザードマップ見てますか?」の記事をご紹介しましたが、当事務所のある淀川区木川西を例に具体的に考えてみました。
避難場所をおさえておく
まず、地域のハザードマップから避難先を探します。
水害の場合、まず頭に思い浮かぶのは「水に浸からない高さの場所」です。近くに避難情報が発令されたときに避難が可能な「津波避難ビル」という名称で指定された建物が表示されています。この事務所から3分程度で到達できるところですと8棟確認できます。

一時的な避難であればこのような高いところを目指せばよいのですが、ひとつ、実際の運用においてオートロック式のマンションなどはどういう扱いになるのか、果たして電気的にもロック解除できて簡単に入れる状態なのかな?という面があります。ですのでオートロックではなく立ち入ることができるところも一応予備知識として考慮しておきましょう。
また、災害時避難所(主に学校などの施設が該当)は木川南小学校、こちらは約600mの距離なので災害の種類によっては即時到達は困難かも知れませんが、長期的な避難となれば、こういった広い建物で備蓄や配給の期待ができるところになります。

学校はふだんは入ることができませんが、地域によっては学校が選挙のとき投票所になっていると絶好の下見になります。
是非こういった機会も逃さないようにしましょう。
浸水の深さ、「高潮」がいちばんだった!
この地域においての水害を想定したとき、誰もがいちばんに思いつくのは「淀川の氾濫」ではないでしょうか。

ところが、です。それぞれの水害別ハザードマップで想定される浸水の深さを確認すると…
- 淀川の氾濫 3~5m
- 高潮の発生 5~10m
- 巨大地震による津波 0.5~3m
- 内水氾濫 0.3~0.5m
というふうに、高潮による被害想定が最も大きいのです。
高潮といえば台風時など気圧の低下で海面が上昇し、月の満ち欠け、いわゆる干満の差が加わって降雨量以上の浸水被害が起こります。
ですから巨大地震による津波などよりもおこる確率は高いのです。


付近の海抜はおおむね1m程度。
ここの事務所は2階・3階ですので高さ3mや5mのような浸水時を除いて、床下程度の浸水ではむしろ緊急の避難は必要ないと思われます。
しかしそれを超えるときはどの方向が比較的安全かというと、意外にも淀川寄りの方が道路の高さが高く、内陸に向かって少し低くなっていて、それぞれの災害の状況に応じての想定が必要になってきます。

まとめ
災害はあわずに済むのがいちばんですが、いつ起こるかわかりません。
ちょっとしたことでも知っているのと知らないのではその時の対応が大きくかわってきます。
”Aの場合”、”Bの場合”…想定される被害状況によっていつも同じ対応でよいというわけでもなさそうです。
あらゆる緊急時の連絡手段や避難先・避難経路を確認して共有しておきましょう。
「〇〇くらい大丈夫だろう」と過信したりせず、大切な家族や仲間をまもるために、普段からの災害に対する心掛けが何よりも大切です。