和室しかなかった時代は、障子などを使って部屋どうしの空間が仕切られていました。
たとえ外に向けた開口部が限られていても、やわらかい光が上手に奥の部屋まで届くようになっています。
昔の人の知恵ですね。

障子による昔ながらの間仕切り

個室を洋室にという需要が高まるにつれ、各部屋は完全な壁で仕切られるようになり、プライバシーは保たれるものの、ある意味閉鎖的な空間になってしまいました。

日本の住宅、特に都市部の一戸建てやマンションでは、外からの光を取り入れる開口部を確保しづらく、中のほうの部屋まで光が届きにくくなるので、どうしても暗くなりがちです。

なお、外への開口面積(採光)が十分確保できない部屋は”納戸”やサービスルームなどと称して洋室などの居室としてカウントされません。

ワークスペースの間仕切り

少し前には建具自体が半透明になっていて、開放して広く使うことが出来るとともに、閉めると窓のないスペースでも個室として成立する、というような製品は出ていました。

これはこれでよかったのですがどことなく無機質で、使える家のインテリアに多少制約がある感じでした。
いま需要の高まっている、ちょっとしたワークスペース作りにはぴったりかも知れません。

そして近年登場した「室内窓」。
この窓は行き来することを特に目的にはしません。

私個人的には祖母の住んでいた昭和30年代の団地の玄関と浴室のあいだの壁にあった波板ガラスの大きな一枚窓を思い出したりします。
古い木造校舎の廊下と教室のあいだにも窓があったりしましたね。

いまの室内窓のデザインもどこかレトロな雰囲気をもっていて親しみがわきます。

室内窓は光を取り込むことと、もうひとつ、さすが「窓」ですから開閉させて空気の流れを作ることができます。

不思議なもので壁一面が窓でなくても、一瞬どこかで視線が抜けるというのはとても開放的になります。

かといって仕切られた空間には違いありませんから、ちゃんとプライバシーは確保されつつも、部屋と部屋どうしの気配をゆるやかに感じることができるのです。

昔から部屋と部屋同士の「空間のつながり方」を大切にしてきた日本人に、この室内窓は合っているのでしょう。

空間につながりをもたらす室内窓

デザイン性も高く部屋のアクセントにもなりますし、現在の流行、たとえば人気の北欧スタイルにも似合いますね。

フルリノベーションされたマンションなどでもよく使われています。

この2年ほどで家族がそろって家にいる時間が長くなった、という方も多いのではないでしょうか。
家族がいっしょの時間が長く続くとお互い疲れてしまってけんかのもとになったりします。

できれば部屋を分けたい、だけど、つながりは大切にしたい…

こんな室内窓を使った間仕切壁で今までとはちがった空間づくりをしてみてはいかがでしょう。