たまにこういうの…図面と合わないと困ります(本文の土地と異なります)

土地の分筆をすることになったが…

「分筆」とはひとつの地番のついた一筆の土地を2つ以上の土地に分けることです。(土地の数え方は地番ごとに一筆・二筆…というふうになります)

その目的はいろいろ考えられますが例えば相続のために土地を分割したり、土地の一部を売ったりするために行うケースが多いのではないかと思います。

ここでまず必要な作業は、分筆をしようとする土地の境界を確定することです。

この土地と隣接する土地の所有者全員に「境界はここで間違いないです」、という確認をします。

もちろん、相手も自分の利益にかかわることですから、声を掛ければ指定した日時にほぼ立ち合いに応じてもらえます。

境界立ち合いの場面で「こっちが正しい」「ここが境界だと思ってた」なんていうこともあります。

しかし問題はそれ以前にそもそも隣接地の「所有者探し」がすんなりいかない場合があります。

ちなみに「交点」でも隣接ですから同意が必要です。(画像は本件と異なります)

申請者が探さなくてはならない

隣接地の所有者探しについては、あくまで「申請者」の立場・責任で行うものです。
ですから土地家屋調査士さんの土地の分筆にかかる業務案内フローにはあまり深く触れられずにサラッと書かれていることが多いです。

「あ、探してきてくださいね」って。(…冷たいわけではありません)

実際問題、割合からすると隣接地所有者が複数人あれば1件くらい不明なところがあってもおかしくない気がします。これが大変なんです。

登記上の所有者が亡くなっている(相続人は誰か、何人か)とか、その場所には住んでおらずいったいどこにいるのかわからない…

そうなると分筆を行おうとする申請者・土地所有者本人が隣接地所有者を探し出さなくてはなにもかもはじまりません。

不動産の登記なんてふつうその不動産について売買など何かあったときにしか見ませんし、さわりません。

相続だってきちんと登記していないケースも多いとか…

とにかく人づたいに聞いてみるしか

私が以前、家族所有の土地の分筆にかかわったとき、隣接地所有者の登記された住所はその場所そのものなのに、そこは空き家になっており誰も住んでいませんでした。

試しに引越し先に届くかと思い、郵便で手紙を出してみたところ、数日後にその家のポストに出した手紙がささっていました。

近所の人に尋ねてみると時々帰ってきているらしい、ということだったのですがそれがいつかもわかりません。

別の人からの情報では子ども同士が同級生だった人がおり、その人が数年前までは連絡をたまに取っていたはず…とのこと。

今は電話番号も知らず、詳しい住所までは知らないとのことだったので、ウワサを頼りに直接そこに居るであろう現地へ行ってみることにしました。

そのときはそれでやっと運よく本人に会うことができました。

事情を説明すると快く応じていただけたので、後日書類を郵送でやり取りして記名押印いただきました。

こんなかんじで境界確定の同意をもらったことがあります。

このときは何とか見つかってよかったのですが…。

広い意味での所有者不明といわれる土地の割合は、土地全体の20%とも言われます。
所有者不明土地の解消に向けて法制度の見直し(相続登記や住所変更時の登記の義務化など)が行われていますが、問題の解決にはまだまだ時間がかかりそうです。

今回は土地の分筆にかかる隣接地所有者でしたが、不動産に関するさまざまな場面で「所有者」を探すというのは簡単なことではないようです。