
5月、暑すぎず寒すぎずの季節。春眠暁をおぼえずと言いますが、あなたの眠りはいかがでしょうか。
心地よい睡眠は永遠のテーマですね。どこを寝室にするか、どんな寝具を使ったらよいか悩む方も多いと思います。
多くの住まいは限られた広さに収められた間取りで、どこを寝室にという選択肢が少ないです。
ですから中々いま現在の環境は変えられないかもしれませんが、ご参考まで。
寝室の場所
まず、人の気配を感じにくい場所をおすすめします。「就寝~睡眠中」にかけての影響です。
マンションに多いのですが共用廊下から玄関に入って左右に振り分けられた個室がよくありますよね。
共用廊下側に窓があることが多く、夜中でも住人がそこを通ることが少なからずありますし、玄関の開閉音もわかりやすいです。
居住区分の奥の方には部屋が取れなかったりしますが、手前の部屋でもたとえワンクッション「距離」「あいだ」「すきま」が欲しいところ。
ただこういう間取りの場合、キッチン・浴室など水回りを中央に配していることが多く、個室とトイレも直に接している例が少ないので、この点では家族同士の夜中の音が気になりにくいかもしれません。
あと、マンションの場合は「エレベーター室の横は絶対お勧めしない!」とのこと。エレベーター検査のプロである知人からの忠告です。
いまのエレベーターがいくら性能が良くなって静音に配慮されているとは言え、やめた方がよさそうです。
戸建でしたら道路とは反対の位置の部屋に。ただ、道路と家に段差があったり、2階の場合は良いでしょう。
無防備な睡眠中、窓を閉めていてもカーテンを閉めていても、
何気ない人の「気配」や見えるはずのない「視線」であっても動物的に「怖い」のです。
つぎに「朝の目覚め」を考えると。
これは朝からしっかり明るくなる方角がいい方と、そうでない方角がいい…、とで意見が分かれるところですがどうでしょうか。
遮光機能の高いドレープカーテンも多いですし、好みでブラインドやロールスクリーンを使ったりして明るさは調節しましょう。
私の場合は北寄りの部屋で朝暗いと起きられないのでレースカーテンだけ使ってます。
北寄りとはいえ夏場の太陽は朝からたっぷり光が差し込む角度になります。
扱いやすいマットレスのかたち
以前、生活雑貨の販売店スタッフとして10年ほどインテリア売場を担当していました。
主に取り扱っていた寝具は、ウレタン系素材のそれぞれ低反発と高反発で有名な2つのブランドと、あの「繊維状」素材の急成長メーカーです。
各メーカー専門ということではないのでそれぞれお客様の好みに合わせて中立な立場でご提案していました。
1枚完結か重ね使いか…。だいたいこの2通りの選択です。
厚みのある1枚もののマットレスは豪華な感じがしますが、一辺は必ず2mあるわけで、なかなか大きなかたまりですから実際のところ搬入・搬出や部屋の中での取り回しがしにくいです。
ですから折りたたんだり丸めたりできる厚さ10~15㎝のベースとなるマットレスと
3~8㎝のマットレスパッド/トッパーの組み合わせをおすすめします。
もちろんこれらを1枚だけで使用するのもアリです。
やわらかい感触が好きな方でも、ベースとなる部分にはややしっかり系のモノを選びましょう。
そのしっかりがあってはじめて上のトッパーのふんわり柔らかが生きてくるのです。
実は厚みのある1枚ものでも中の構造は異なる材質のものが複層になっているので、結局は同じだといえます。
2枚になるといいことは、まず持ち運びや、長持ちさせるためのローテーション(定期的に使用面や向きを変える)が楽なことです。これでマットレスの「持ち」が違います。
また、上下の組み合わせによって違う寝心地に変えやすいところがあります。
長年同じものを使用していると体が慣れ過ぎてくることと、マットレスの経年劣化とともに以前のように心地よく感じなくなります。
そこで上下どちらか半分交換するのです。たいてい下のベースの方が傷みにくいので上を替えることになりますが、費用はまるまる交換するより安く済みます。
ここでようやく枕の話がでてきます。
絶対に枕を先に選んではいけません。
必ず布団・マットレスが決まってから、それにもとづいて、あなたの体格・好みに合う枕を探してください。
あと、自分にとってのいい寝具は決して値段の高い安いだけじゃ決められないですね。
まとめ
人の一生のうち3分の1にもなる大事な睡眠です。
なのに、日当たりや眺望や交通至便をプッシュする物件広告はあっても、
不動産広告規約上、抽象的で根拠を示せない事柄ですので「快適な睡眠をご提供するお部屋!」はうたいにくいですね…実際見たこともありません。
ですが、睡眠環境まで予想しながら、快適そうな間取りを提案してくれる不動産屋さん、と…
面倒がらずに商品選びに付き合ってくれる親切な寝具売場の店員さんをつかまえて理想の眠りを探してみてください。