お手持ちの不動産を単純に売却する時や、賃貸から持ち家を購入する時と違い、「持ち家から持ち家」に住み替える買換えは、売る・買う双方の動きのタイミングを上手く調整しスムーズに進めたいものです。
それぞれの事情によって出来る出来ないはあるかと思いますがどのように違うでしょうか。

売るのが先…

買換え先を考えるにあたってまず一体いくらのものが買える?という問題があります。

売却代金の充当を含む自己資金と新たな借入れなどを合わせて総額いくらか、ここが決まらないと新しいところを探す基準がわからないですね。
ここで、売るのが先の場合だと売却後のはっきりした金額が出てからになりますので目安になりそうなのですが実際どうでしょうか。

まず、「売れるかどうか」の心配です。全く売れないという場合でなくても、思っていた金額で売れなければ行き先の希望条件を満たすことができず、売ってまで買い換える必要がなかった!ということに。

実際のところフタを開けてみないと分からないといったことが多々あります。

ですから、買換え時には査定額だけでなく最低これだけは確保できるラインという心づもりをもって臨みます。

住みながらの売却になりますので売却活動中はそれなりにしんどいです。
内見のため休みの都合をつけたり、自由が利かなくなることも事実ですが、こんなご時世ですから他人が家に入ってくるだけでも気になったり、何よりリアルに購入希望者と対する訳です。やはり顔色が気になったりします。

案内が多いのになかなか決まらなかったり、逆に全く案内がなかったりすることも直にわかってしまいます。

売却の契約が済んでも、自宅を購入してくれた人はたいていローンを利用することでしょう。融資の特約や、時には別の理由で契約解除になることも可能性としてはあり得ます。

とはいえそんなことばかり言っていたら前には進めないのも事実なので、あらかじめある程度候補を考えておいて、一般的には売却の契約後、自宅の購入者のローンが通ることがOKになった時点で次の行き先を決めるケースが多いと思います。

でもついついここで時間的に焦って中途半端な物件に妥協してしまうことにならないようにしたいものです。

うまくいけば自宅の引渡し(代金受け取り)と行き先の入居(全額支払い)をほぼ同時に調整し、引越し荷物は一時預かってもらい数日間のホテル泊まりでもしのげますが、この両方のスケジュールには多少なりとも必ずズレが生じることを考えておかなくてはなりません。

残代金もすべて受け取ったあとじっくり次の住まいを探す…となると、自宅を引渡したあとの身の置き場は仮住まい(賃貸)です。こうなると引越しは2回になり、そのぶん費用と労力が増します。

しかしこれですと手元に資金を手にした状態で、時間をかけて行き先を落ち着いて探すことができるのでその点は何より良いところです。
もうひとつは相場が下落傾向にあるときは、落ち着くまで一定期間待ってみるという手もあります。

自己資金が手元にバッチリのお客様を目の前に、仲介業者としては次のお世話もぜひ(今すぐ!)といったところでしょうが、あなた自身でいちばん最良と思える選択をしていただきたいです。

買うのが先…

普段の買い物と同じというわけではありませんが、じっくり商品を選んで買う買わないの判断をするのはごく自然ですから妙なストレスがありません。
気に入ったところがなければ買わなくていいのですから…。

しかしながら全部がそうではないですが業者の側にすれば成約してこその業績なので、慎重が過ぎると内見ばかりで決まらないお客様に時間をかけて付き合ってくれるかどうか、です。

買い先行するときも、もちろん資金計画の中で自宅が最低限どれくらいで売れるかどうか把握しておかなくてはなりません。
売却代金をそのままスライドさせて購入先に充当するならなおさらです。

ここでも最低限という表現にしましたが現実はシビアに予測しておくに越したことはありません。
実際、調子のいいことを言って高価格で売れることを前提にしておきながら、後々いざ売却の段になって「この価格では難しいです…」となると既に購入した行き先の資金計画が狂ってしまいます。

当然、行き先が決まっている(代金の支払いが完了している)ときは引越しは一度で済みます。
こちらの負担は少なく済みますが、現在の自宅にローンが残っているときは売れるまでの間、2重にローンになるかも…と考えます。ただこれはあなたにかなり返済力と手持ち資金があり担保的にも十二分な場合のみ。
おそらく新規に行き先の物件購入にローンを利用するとき金融機関的には、両方の借入れをひとつにまとめるか、自宅の残債を全部繰り上げ返済しておくかのどちらかでしょう。

売れるかどうかの不安はあるにせよ、空き家にしてからの売却は住みながらより格段に気が楽です。普段の生活のスケジュールの調整は必要ありません。
鍵も業者に預けておけばいつでも案内することができますし、変わった様子がないかどうか、何かあれば教えてくれるはずです。

また、見学に来られる購入希望者の方も人目や時間を気にせず、ありのままの物件の状態を確認することができるのがメリットです。
引渡し前の引越しで家具を動かしてみて初めて色褪せなどが見つかったりするのはよくあることです。売主の責任ではない部分でも要らない気を遣うよりよっぽどましです。

先に買う(買える)ようにするためには、まず、「買えない原因」となる足かせがあれば解消する、家族・夫婦・親子を交えて考えてみるなど何らかの方法を探りましょう。
一時的な資金として、別用途の貯蓄を引き出したり親からの援助なども。

あるいは急ぎでない限り今すぐには無理をせず、いつかそれができる将来のタイミングまでひとつひとつ準備していくのが良いと思います。

無理のない計画を

売るのが先でも買うのが先でも双方においてメリットデメリットはあります。ここにまだまだ書ききれていない要素も多分にあります。

一般的に資金的な動きの理由から、売却を先行して購入の決済をほぼ同時におこなうやり方が多いのかもしれませんが、どちらを選ぶにしろ主役のお客様にとって大変な作業であることは間違いありません。

相談を持ち掛ける仲介業者のアドバイス等は参考になりますが、いちばん大切なのはお客様ご自身がはっきりした方向性をもって時間的にも金銭的にも無理のない実現可能な計画を決めて、それを実現していくことです。