マイホーム、自己資金なしで買える?

マイホームの購入、昔は年収の5倍以内の価格が妥当と言われていました。
もちろん、金利もずっと高かったです。
ところがいま金利が低いため、返済比率を計算すると想像以上に借りられることが多くなっています。
年収の7倍、10倍でも借りられるなんていうケースも耳にします…。

へー、こんなに借りられるのか…いまではweb上で簡単にローンシミュレーションができてしまいます。
ところで、それは良いとしても自己資金、いわゆる頭金は用意していますか?

頭金が用意してあるが低金利という理由でこれを使わず手元に残して必要額全額借りるのと、頭金相当額が全くなくて全額借りてしまうのとは全く違います。

「あなたにも家が買えます!」

あなたが目にされた広告におすすめされているローン返済例をよくみてください。
「借入期間○○年・金利○○%の場合、月々○○○○円!」

あなたの完済時年齢はいくつになりますか?
完済時から逆算してその年齢は自分よりずっと若い人のケースではありませんか?
築年数にかかわらず35年ローンではありませんか?
…などなど。

くれぐれもそのまま自分にあてはまるかどうか、よく見てくださいね。

ローンを組んで家を買うということは、いろんなことが関係してきます。さすが人生最大の買い物です。

不測の事態も考えておくことも。

いま現在の家族人数がずっとこの先も同じとは限りません。
仕事も勤務先もこのままかどうか…
いつ起こるかわからない災害もあれば、残念ながら離婚することだってあるかもしれません。

生活上すぐに現金が必要なときもあるでしょうし、子供にかかる費用や、自らの老後の生活資金だって必要です。
生きていく上でのさまざまな要素をトータルで予測してみる、家を買うということはこれからまだ長い人生を考えるよい機会です。

数年の間に短期で買い替える可能性があるときは将来の価格推移もよく考慮しておきたいです。ここはあくまで予測になるのですが…。

でも、やっぱり持ち家がいい。
いちど思い立ったらなかなか諦められませんよね。

金利による返済額の差

仮に物件価格2500万円 として 諸費用を約8%とすると200万円、総額約2700万円かかる、
手持ちの自己資金が500万円 あるとして…
(※担保評価は物件価格満額だとします)
 
諸費用分と頭金を入れる場合(2200万円)
諸費用含めて全額借りる場合(2700万円)

双方のパターンをみましょう。
借入期間は30年としました。

借入2200万円 金利0.5% 月々65821円 総返済額約2370万円
借入2700万円 金利0.5% 月々80781円 総返済額約2910万円  総返済額は540万円の差

借入2200万円 金利1.0% 月々70760円 総返済額約2550万円
借入2700万円 金利1.0% 月々86842円 総返済額約3130万円  総返済額は580万円の差

借入2200万円 金利1.5% 月々75926円 総返済額約2740万円
借入2700万円 金利1.5% 月々93182円 総返済額約3360万円  総返済額は620万円の差

借入2200万円 金利2.0% 月々81316円 総返済額約2930万円
借入2700万円 金利2.0% 月々99797円 総返済額約3560万円  総返済額は630万円の差

これくらいの差であれば頭金500万円を入れるか、30年後の完済時の総返済額とで悩むところかもしれません。
ここの金利が高いほうの例で2%で計算しましたが、これでも相当低金利かと思います。

ただ、月々の返済額は金利がわずか1%~1.5%変わっただけでも結構変わるのはお分かりではないでしょうか。

それではさらに金利4%だとすると、

借入2200万円 金利4.0% 月々105031円 総返済額約3780万円
借入2700万円 金利4.0% 月々128902円 総返済額約4640万円  総返済額は860万円の差

昔はローンを組んだら倍の買い物になるとよく言われたものです。当時を知る方なら4%でも低いっていう方もいらっしゃるでしょう。

0.5%の金利の場合と4%の金利の場合と比較すると2200万円借り入れで総返済額で1410万円、
2700万円借入れだったら1730万円の差がつきます。また、月々の返済額も一気に増えます。
必ず金利が上がるかどうかわかりませんが、変動金利を選択するとこういったリスクがあることも。

いまが超低金利で限りなくゼロに近いため、上昇分がこんなに目立つんです。
        

5年後くらいですと、毎月返済を続けていてもそのほとんどが金利分で、元本は残ってる…よく聞く話です。

もし、短期での住み替えがあるかもしれないという方は、購入後の価格動向も気になります。

仮に年2%という緩やかな価格下落であっても、購入時が2500万円のとき2年後には約2400万円。5年後には約2260万円という評価です。
うまく売却できても残債が売価をオーバーしそうなのは目に見えています。

住み替えでいざ売却するとなっても、その時点で補填する手持ち資金がないか、あるいは総額借入れにしてしまったら、身動きが取れなくなってしまうのです。

さいごに

ここへきてひっくり返すようですが、手持ちがなくてフルローンが全くダメというわけではありません。

スピード感をもってマイホーム購入を前に進めることができるので、じっと貯蓄を待つよりこういった形で持ち家スタートを切る方が良い場合だってあります。

しかし、基本は「自由にできる手持ち資金を残しておいてフルローン」にするか、収入が安定して見込めれば「頭金を入れて借入額を少なくおさえるか」どちらかが良いと思います。

要は借入れについてはさまざまな情報がある中で、慎重に考えていかに自分に合った手段を見つけ出すかが大事です。

どうしても都合のいい情報をあてにしがちですが、そこはひと呼吸おいて冷静に。

人によって要件もさまざま、物件もさまざま。他人の事例は参考にはなっても全く同じに自分に置き換えることはできません。

自分の収入や貯金のことなどお話ししにくいことかもしれませんが、まずは信頼できそうな業者さんに相談してみるのが良いかと思います。