それぞれ個別的な問題が

残念ながら、まったく適正じゃないかと思われる価格で売却していてもなぜか時間がかかってしまっている物件が必ずあります。

そこにはやはりウィークポイントがあるはずで、どうしたら良いか本音でアドバイスできる不動産業者・営業担当者であるべきだと思います。

さまざまなことが考えられますが…
・欠陥とまでいかないが決定的な見劣りがある
・時折、離れている嫌悪施設から臭いがする
・長年にわたり隣人との問題がある
・家庭内の人間関係について…      など

もし、相手が気づいていない伝えにくいことがあっても売買自体への影響が考えられるなら、仲介業者にはちゃんと話しておきましょう。

数ある業者の中でせっかくご指名いただいても、もしかしたら自社には売却依頼を頂けないことも覚悟しながら厳しい査定価格を提示しなければならない場面もあります。
「そんな価格ならだれでも売れる!」とお叱りを頂くこともあるでしょう。でもその金額でしか売れない、それが現実だったりします。

しかし、結果同じ金額で成約することになるのであれば売れるまでの時間的な損失や精神的な負担を考えるとどちらがよいか、難しいところではありますが売り出す前のタイミングでお客様自身が判断いただきたいところです。
もしすでに売却中だとしても、見方をかえて別の手段を検討してみるのも良いと思います。

ライバル物件と値下げ競争

売れない理由というよりは、良くない方に転んでしまうひとつの例です。

売出し中に同じ地域や町内、マンション内で比較できる(比較しやすい)他の物件があるのはおよそ好都合です。
相乗効果で案内の件数が多くなったりします。
ものを買うとき比較検討できる状態にあるというのは購入決定の判断に大きく影響します。

もちろん、適正な価格帯であることが前提ですが、ここで何も競争するような、特に価格を競い合って安く見せるということではありません。単体で検討されるときよりも価格以外の好条件が持つ優位な部分が際立って見えるのです。

値下げして購入希望者が続々と現れるなら良いのですが、焦りが出てきて先に売ったもん勝ち!と、さらにじわじわ値下げ競争をはじめたりするのはあまりおすすめしません。

購入希望者側からすると急いで買うよりちょっと様子を見ようという気持ちも生まれてしまいます。やがて購入希望者の意欲が冷めてしまったり、売却にも時間ばかりかかってしまいます。

近所の人からあの人たちがここの価値(相場)を下げた、なんて言われることも。売れなかったときはすっきりしないご近所関係で住み続けなくてはならなくなります。
感じ方は人それぞれではありますが…。

仲介の立場でもなんとなく営業しにくい場所、そんな感じになってしまいます。
取引が出来なかったこと以上に残念な後味の悪い結果です。

安ければ良いというものでもありません。営業担当と購入見込み客の様子を見ながらどんなふうに売却を進めていったらよいかよく相談しましょう。
値段については実際に商談に入ってからでも遅くはないのです。

旧耐震基準の建物(マンション)

これが結構むずかしい問題です。

近年、昭和56年6月より前に建築確認を受けた旧耐震基準の建築、特にマンションでは金融機関の条件によっては住宅ローンが利用できない、もしくは借入れ希望金額通りでローンが付きにくくなってきています。

現金一括の購入者をひたすら待つ、ということでしょうか。

資産の流動性がじゅうぶん確保できないため、どうしても流通性も低くなってしまいます。要は売れにくく、買いにくいの両方ということです。

また、すべてがそうではありませんが、将来いつか建て替えになれば莫大な費用と労力がかかるのでは…、といった不安も噂されがちです。
そういった記事には「負動産」扱いのひどいコメントもちらほら。

ちなみに過去の大きな地震による旧耐震基準・新耐震基準で損壊した割合はわずか数%の差でしかありません。

固定資産税評価額や路線価など公の評価はそれなりであるにも関わらず、実際はその評価額通りの価格を割り込んでも動かない、売るにも売れない物件が増加しています。

これについては価格調整だけでは追い付かない問題ではないでしょうか。

「あなたの不動産はこれだけの資産価値なんだぞ」って税金はかけてるのに?
(※マンション旧耐震基準についてはあらためて別ページで)

その点、一戸建てでは戸別で自分の判断で建て替えも可能であるため、築古でもおおむね土地値の評価分としては担保が確保できるため、融資の可否への影響がそこまでではないと思われます。

ただ新たな建築費や解体にかかる費用は年々増加傾向ですから、そのまま使うことができない古家付土地では売れにくいかもしれません。

まとめ

不動産が売れない理由は、色々な要因が絡み合っている結果ですが、やはり根本的には「価格の設定」と「タイミングを逃さないこと」が重要かと思います。
ただ、残念なことにこれだけでは通用しなくなりつつある物件が、原野や山林でなくても、少なからず存在しはじめているのは事実です。
売り逃げる、というのはあまり良い表現ではありませんが、人口減少の時代に不動産市場の将来を見据えた計画で備えておきたいものです。