自分からはじめよう!上手な間取りプランの実現

間取り プラン作成

上手な間取りプランへの道すじ。ポイントは3つ。

1.自分主体で希望を整理する
2.超アナログ、簡潔でも上等!実際に描いてみる
3.担当者とのコミュニケーションは密に

「家を建てる」、という人生の一大行事に際して自分で間取りプランを考えることは楽しい時間のひとつ。
今回はそんな方へ間取りプラン作成の考え方をざっくりご説明します。
大がかりなリフォームをお考えの方もぜひご参考に。

1.自分主体で希望を整理する

暮らしを想像してみる

まずはいろんな条件を拾い出してみましょう。

多くの場合、想像力が不足…これからの自分たちが「どう暮らしていきたいか」という生活の全体シーンが見えないのです。これでは設計者や施工業者に伝わりません。

ですから、時系列で世帯人数を想像したり、今の普段の生活と比較してココは改善したいと思うところ、叶えたい理想を書き出してみましょう。

そして最初っからプラン集ばかり片っ端から見ないでください。
見ているだけで楽しいものなのですが、キレイなプラン図こそ落とし穴になりかねません。
美しく構成された間取りプランはそれ自体完成形であるためについ惚れ込んでしまいがちです。

それよりまずは自分の外せない希望をしっかり整理する。
そのうえで既存のプランを参考にするのは「〇」です。

間取りプランを考える時よく陥るのは夢を見過ぎて膨らみ過ぎてしまうことです。
あれもこれもと余計な要望が増えすぎると落としどころが見えなくなります。なんか多いな、と思ったら優先順位で分けておきましょう。

もちろん可能な広さもコストも限りがあります。

ここでの、自分主体で希望を整理する作業は少し面倒ですが、これをとばして先に業者と打ち合わせをはじめてしまうと、自分のペースと、「叶えたいこと」がぼやけてしまいます。相手があるとどうしても同調してしまうところが出てしまいます。

2.超アナログ、簡潔でも上等!実際に描いてみる

2-1 全体の大きさ・広さの把握をしましょう

つぎに実際に手を動かして描いてみましょう。
その前に、簡潔でとはいうものの、広さの目安にちょっとだけ参考まで。
国土交通省で「住生活基本計画」というものが、「住生活基本法」(平成18年法律第61号)に基づき、
国民の住生活の安定の確保及び向上の促進に関する基本的な計画として策定されています。

これによると、世帯人数に応じて健康で文化的な住生活の基本としての必要不可欠な住宅面積が示されています。

(1)単身者 25 ㎡
(2)2人以上の世帯 10 ㎡×世帯人数+10 ㎡

単身者で25㎡、2人以上の世帯では10 ㎡×世帯人数+10㎡となっています。

たとえば一戸建て、4人世帯であれば最低50㎡、ということです。(※部屋だけではなくすべての空間の合計として)

一方、「目指すべき豊かな住生活」という指標では…

(1)一般型誘導居住面積水準では
  ① 単身者 55 ㎡
  ② 2人以上の世帯 25 ㎡×世帯人数+25 ㎡
(2)都市居住型誘導居住面積水準でさえも
  ① 単身者 40 ㎡
  ② 2人以上の世帯 20 ㎡×世帯人数+15 ㎡

こちらは一戸建て、4人世帯であれば125㎡必要、ということです。(※部屋だけではなくすべての空間の合計として)上と比較してかなりゆったりしてきます。

2-2 モジュールは900㎜がイメージを掴みやすい

モジュールは900㎜(壁・柱の芯)目安で、細かいところは気にせずサイズ感だけとしてです。

もちろんこれにこだわる必要はありません。
便利な間取り作成ソフトなどもありますが、慣れていないと思い通りに書けませんし、見てくれに気を取られてしまいます。
できればラフでOKですから、フリーハンドでサクサク書いてみましょう。

どんなに稚拙でも構わないから手書きメモ程度でスタートして、きれいに書き起こすのは最後の最後!設計屋さんのお仕事です。

ひとマスあたりが900×900㎜。
畳1枚は900×1800㎜の2マス。一般的な6畳の部屋は3マス×4マス、8畳は4マス×4マス。
廊下や片開きドアの開口幅も900㎜。両開きは倍の1800㎜。
ユニットバスや玄関はだいたい1800×1800㎜・2マス×2マスの約1坪、
各部屋の収納やトイレは畳1枚900×1800を目安でいいでしょう。

最初は書きなれないので戸惑いますが、だんだん全体のスケール的なところが見えてくると思います。
できれば建築予定の土地の大きさに入るかどうかも、確認しておきましょう。

部屋をパズルのように配置していくと、グッと自分だけのオリジナル感が湧くものです。
気が付くとあっという間に時間が過ぎます(私は)。

できあがった間取りの間口・奥行の面積換算〈約〉 (1フロアごと足してください)

3.6ⅿ×5.4ⅿ=19.44㎡
3.6m×6.3ⅿ=22.68㎡ 
3.6ⅿ×7.2ⅿ=25.92㎡
3.6ⅿ×8.1m=29.16㎡
4.5ⅿ×5.4ⅿ=24.30㎡
4.5ⅿ×7.2ⅿ=32.40㎡
4.5m×8.1m=36.45㎡
5.4m×5.4ⅿ=29.16㎡
5.4ⅿ×7.2ⅿ=38.88㎡
5.4m×8.1m=43.74㎡
5.4ⅿ×9.0ⅿ=48.60㎡
5.4ⅿ×10.8m=58.32㎡
6.3ⅿ×7.2ⅿ=45.36㎡
6.3ⅿ×9.0ⅿ=56.70㎡
6.3ⅿ×10.8ⅿ=68.04㎡
7.2m×7.2m=51.84㎡
7.2m×9.0m=64.80㎡
7.2m×10.8m=77.76㎡

上の面積基準と照らし合わせてみてください。

2-3 人の動線を意識してみる

その家に住む人をひとりひとり想像しながら移動ルートや距離を見てください。

掃除・洗濯・食事の準備など家事についてはもちろん、
外から帰ってきて玄関から部屋で上着を掛けてカバンを片づけるまで…とか、
朝起きてからの出勤・通学前のバタバタする動きだったりとか、
或いはお客さんがいるときのトイレの使い勝手であったりとか、
子供の友達が遊びに来た時の自分の居場所や仕事場だったり、いろんな場面を想像してください。

コピーをとって動線を蛍光ペンでなぞってみても良いと思います。密になる部分や案外遠くて不便に思うところが出てきそうですね?

もちろん、「現在」だけでなく「将来」についても考えてみると、また新たな発見があったりするものです。

これについては他の誰がどうこう言えるものでもなく、あなた自身・家族しか分からないことなのです。

3.担当者とのコミュニケーションは密に

意向を汲んで設計してもらう

設計者がお客様の意向を汲み上げてプランを立ち上げていくにあたり、本当は「制約」が多ければ多いほど燃えるはず(腕の見せ所?)です。

まさか「方位」×「面積」×「間口」だけで選んだプランをコピーして持ってくる営業さん…!?
せめてその土地、周辺環境に合わせた部分を手書きでも書き加えてくれればまだいいのですが…。

とにかく担当者との相性がよいこと、意思疎通できることは大事です。
もし、遠慮しながら生活まであからさまに見せられないような相手でしたら絶対とはいえませんがいろいろ難しいかもしれません。

担当者との打ち合わせの中で、いままで書き出して整理した住まいに対する希望やラフスケッチたちがここで生きてきます。
文字や図表で表わしたものと、あなたとの直接のやり取りや生活している住まいの状態がちゃんと伝われば理想の家に近づきます。

隣地との距離や車庫の配置、設備の詳細、法的な内容に関することは設計するプロにお任せです。
実際打ち合わせを重ねていくにあたり、どうしても構造上などの理由で実現不可能なこともありますのでそこは解決策を練りましょう。

タタキ台がひとつ出来上がると一気に現実的になってきます。機能的に足りない部分や施工上の利点があればアドバイスしてもらえます。

過ごしやすい家になるよう、以下の点も気にかけましょう。

・風通しをよくする。湿気対策の基本はなんといっても通気です。換気も合わせて人も家も健康で長生きできるように。

・水回りの構成をバラバラにしない。キッチン・バス・トイレなどは集中して配置する方が配管の都合も有利です。生活する人の動線にも大きくかかわってきます。

・家具や家電で、置くことがわかっているものについてはあらかじめ検討しておきましょう。最近ですと洗濯機のサイズ・重さも注意。置き場所まで運べますか?冷蔵庫の開き方なども案外見落とします。

好みもありますが出隅入隅の少ないスッキリした印象の間取りは、結果、材料の無駄を削り、施工のしやすさから工期の短縮にも。

「上手な間取りプランの実現」まとめ

上手な間取りプランへの道すじをお話ししました。

1.自分主体で希望を整理する
2.超アナログ、簡潔でも上等!実際に描いてみる
3.担当者とのコミュニケーションは密に

ここまで言っておいてなんですが、たぶん100%完璧な間取りの成功はないと思います。
家族構成の変化や自身の年齢による衰え、時代の変化で変わる設備などを予測して対応しておくことは不可能です。
20年前に誰がWi-Fiの置き場所や巨大な4Kテレビを壁に掛けるのを準備していたでしょう。
必ずしも工事が必要なことばかりではありませんが、そのためにリフォーム・リノベーションがあるわけです。

いざというときの「間取りや設備の変更のしやすさ」も良い間取りの条件です。

ここまではまず大きくプランの概要ができるまでのお話でした。
ここから先、実際どんなところでつまづいたりしたのかは、
「間取り・設備のココで失敗!間取りを考える際に気をつけるポイントは?」の記事もご参考ください。